「羽田の家」現場ブログ始まりました

「羽田の家」の現場ブログが始まりました。

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『羽田の家』は木造2階建て準耐火構造の住宅です。
敷地は三方を道路が囲み、南側は隣家が迫ります。
南側からの直達日射を受けるには相当なセットバックが必要です。
陽当りを得るために安易に建物を後退させるのではなく、
半階分の吹抜けに高窓を設けたり、東西の窓サイズ・位置に配慮すること、
抜け感をつくることで一日中快適に過ごせる空間としました。
羽田の家は3世代で生活されます。
ご要望の部屋数が多く(LDK+茶の間+個室5部屋)、
敷地は40坪弱と恵まれてはいるものの部屋数を考えると、
どうしても一つ一つの部屋が小さくなり、
大勢で集まれるスペースが確保できません。
そこで、各居室をコンパクトに計画しながらも、
プライバシーが必要な個室3室は完全に独立させ、
リビングなどのファミリースペースや他の個室は可変性のある一体の空間とすることで
最大で32畳ほどの空間となりました。
吹抜けを通して上下にもつながりがうまれる空間は
様々な生活・家族形態に対応でき、住い手に寄り添う家となるはずです。
木造準耐火建築物ならではの木質感の表現も見所です。
防耐火設計として許容応力度計算による燃え代設計による柱・梁の現し、
告示に基づく野地板の厚みによるJパネル(丸天星工業)現しの玄関庇。
また、上下階で空間の区切りが少なく、開放的な間取りのため
全館冷暖房設備のOMソーラーのパッシブエアコン搭載しています。
家中を1台のエアコンで冷暖房する。
家全体がムラなく暖められるため、部屋毎の温度差が少なくヒートショックにも効果的です。
性能を最大限に引き出すのに最も大事なことは、
家全体の断熱性能を上げ、気密を高めること。
快適性と経済的なメリットを両立するには、
適切な断熱性能の設計と的確な施工力が必要です。
構造見学会は10月後半に予定しておりますので
またホームページ等でご案内します。
現場ブログを是非ご覧下さい。
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〈概要〉
木造2階建36坪
準耐火構造
(地区計画等)

大田区防災街区整備地区内にあります。

(第一京浜・産業道路・環状8号線で囲まれた地域が対象)
この対象エリアの中で地区防災道路沿い以外の住工調和地区に該当し
階数3以下かつ延べ面積500㎡以下の新築は準耐火建築物以上の性能が求められます。
羽田の家は準防火地域内の木造2階建てであっても
上記の地区計画により準耐火建築物としなければいけません。
また、建築物の屋根・外壁等の色彩は建物規模によらず
大田区の色彩ガイドラインが適応されます。
(各申請手続き)
着工から完成までには
地区計画・狭あい道路拡幅整備協議書・不燃化建替え工事の助成手続き・電柱移設
確認申請・長期優良住宅・地域グリーン化事業
申請関係だけでもかなりのボリュームがあります。
助成金は不燃化建替え工事・地域グリーン化事業
(燃え代設計)
吹抜けのあるリビング・ダイニングに
通常断面では石膏ボード等の被覆が必要となる大黒柱と梁を一部現しています。
安に石膏ボードで覆ってしまうのではなく、大黒柱と梁の一部を燃えしろ設計し、
表面が燃えても構造耐力上支障のない断面とすることで現しとしています。
告示1358号に規定される燃え代分を通常断面に付加するものでは
大断面(120+45+45=210)となり見た目の圧迫感や不経済なため
告示1901号及び1902号に基づく許容応力度計算による燃えしろ計算を行っています。
告示1901・1902号では仮定する断面構造部に生じる長期荷重を算出し、
この長期荷重により燃えしろ分を除いた断面に生じる応力度を算定します。
この応力度が短期許容応力度を超えないことを確認することで
断面が決まってきます。
実際の長期荷重から算定された構造上必要な断面に燃え代寸法を足すと、
火災後に部材には長期許容応力度しか生じず、余力が十分にあるため、
かなり安全側(結果的に太くなる)の設計となります。
(木を活かす建築推進協議会資料より)
(空調)
空調設備には全館冷暖房設備のOMソーラーのパッシブエアコン搭載しています。
家全体がムラなく暖められるため、部屋毎の温度差が少なく
ヒートショックにも効果的です。
パッシブエアコンの性能を計画通りに発揮させるには
高い断熱性能・気密性能を設計・施工する技術力が必要となります。

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